有

護られなかった者たちへの有のレビュー・感想・評価

護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)
4.0
2024年74本目

メッセージ性がとても強いのはもちろん、ストーリー自体もめちゃくちゃ良かった!!

震災、生活保護の残酷な現状を描きつつ、伏線がいくつも張ってあったりミスリーディングを誘うような演出があったりで色々大満足!!

ただ最後の方はなんか達観してしまった。働いていなくて年金も払ってこなかった老人がのうのうと生きれるのはおかしいし、親子のケースだと生活保護で塾通わせるのはなしだろと思った。

この作品は震災と生活保護という視点で、救えなかった社会的な弱者に焦点を当てた作品だけど結局資本主義経済ってそういうことだよな〜と思った。稼いだ分はなるべく自分のものにしたいけど困ったときは国が助けてねって普通に現実不可能だよな…。そう考えると三雲に1番共感できてしまう。

あとは生存権について説明する場面で健康で文化的な最低限度の生活が保障されてるとかなんとかっていうのがあったけど生活保護受けてない人でも果たしてそれを達成できている人がいるのかと思ってしまった。文化的はともかく健康の定義にちゃんと当てはまってる人なんかいないと思うし結局これも口だけというかただの綺麗事に感じてしまうよな…

とまあ愚痴を言ったけど私自身震災の被害にあったり、最近社会保障について考えることが多かったのもあって、再度考えを深める機会になってよかった。
有