良くも悪くも平常運転。
原作にもある京都旅行を冒頭に配しつつ、下手に背伸びすることなくドラマ版同様に日々を重ねる。
(これは劇場版だけでなくドラマ版からの流れですが、)原作のエピソードの中からドラマ版では主にシロさんの親との関係性、加えて今回の劇場版ではお互いがいなくなることを意識する内容が優先して取捨されています。
想像するに時間経過に伴うキャラクターの成長=話の主軸を作るためなのかなと思いますが、2人が色んな人と関わりながらゆっくり重ねていた時間が、かいつまんで繋げることで足早に見えてしまうのはもったいないなと。
特に今回は(原作未読だとまた見え方が違うかもしれませんが)少なくとも現状、盤石に見える関係性に当人たちだけがやきもきする、という構図だったこともあり、道筋をつけるための話の並べ方がより際立って見えた。
2人の仲良さげな、アドリブっぽいやり取りがじわじわと増えているのは、見ていてこちらまで楽しくなる良い演出。