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ハンディキャップ・キャンプ: 障がい者運動の夜明けの一のレビュー・感想・評価

3.9
1970年代に10代の障がい者向けに行われた伝説のサマーキャンプの様子を軸に、障がい者の権利運動の幕開けと闘いの記録を捉えたドキュメンタリー

オバマ元アメリカ大統領夫妻が製作総指揮を手がけたNetflixオリジナル作品で、今年のアカデミー長編ドキュメンタリー映画賞にノミネートされてもいました

この映像が残っている事自体がまず凄いんだけど、あくまでもキャンプそのものはきっかけ作りにすぎず、映画自体は障がい者たちが自らの権利を獲得するために行動した不屈の戦いの記録を映し出すドキュメンタリー

とはいえこのキャンプがなかったら今の障害者の人々の権利はどうなっていたのだろうとゾッとする
キャンプで知り合い交流を深め、同じ悩みを共有できる仲間との絆がなければここまで国を動かすことはなかったかもしれない

このキャンプでは皆が健常者と何ら変わらないただの若者のひとりでいられる
もちろん恋愛もするしセックスだってするし、なんなら遊びすぎて性病にもなる

普段の生活では味わうことのできない自由を手にし、生き生きと心から楽しんでいるキャンプの様子は激しく胸を打つ

障がい者同士の中にもヒエラルキーが存在していたり、一人の時間を作れないプライバシーの問題など、全く知らない世界垣間見ることができたのは貴重な経験

頑張る障がい者!といった不快なお涙頂戴演出なんかは一切ないのも好印象

先進国の中ではバリアフリーが進んでいないと言われがちな日本人の意識を変える意味でも、非常に勉強になるドキュメンタリーでした👏🏻👏🏻

〈 Rotten Tomatoes 🍅100% 🍿91% 〉
〈 IMDb 7.7 / Metascore 86 / Letterboxd 4.0 〉

2021 自宅鑑賞 No.256 Netflix
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