けんけん3号

望みのけんけん3号のネタバレレビュー・内容・結末

望み(2020年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

重く考えさせられる映画でした。豪邸に住んで、仕事も順調、誰もが羨む生活をしている家族。息子が消息不明になり、息子の友達が殺される事件が起きる。息子が殺人犯かもしれない、もしくは殺されているかもしれないという状況の息子のせいで、一転して家族が不幸になってしまう人間ドラマ。幸せの絶頂から、急に事件の渦中に巻き込まれてしまう。この状況に対処法も分からない中、さらにマスコミに追われ、誹謗中傷され、仕事にも影響が出て、家族が不協和音になる。事件状況から、息子が加害者、もしくは被害者と思われ、どちらの結末でも不幸は避けられない。息子の成長、人となりを見てきた両親は加害者のはずがないと信じるが、家族を襲う理不尽なことが、その信頼を揺るがしてしまう。根本的に家族の息子に対する想いは同じなのだが・・・。だからこそ、その葛藤がリアルである。娘もいるため、娘の今後の人生、仕事を失う不安、どん底の今後、なにより息子の安否、すべてが一気に押し寄せるが、その葛藤を各演者が上手く演じていて、感情移入出来たし、幸せ過ぎていた分、奈落の底に落とされた家族の狼狽が切なかった。ラストも不幸ではあるが、今後、家族が立ち直れるだろうと察せる、希望の欠片が伺えたのが救いだった。ダラダラ時間も長くなく、事件のあらましもサクッと説明があり、刑事の重みがある言葉にも共感出来たし、演者も上手かったし、何気ない父親の言葉が息子に響いていたのもホロリとしたし、個人的には心に染みました。最後に匿名の誹謗中傷、嫌がらせをするやつらへの怒りを覚え、許せなかった。法律でどうにかならんもんかね?