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キャンディマンのこどものレビュー・感想・評価

キャンディマン(2021年製作の映画)
3.6
ステレオタイプによるスティグマや、無意識下に於ける差別などのテーマに取り組んできたジョーダンピール製作の本作は、より直接的な形でBLM運動に密接するようなテイストになっていました。
『ゲットアウト』や『NOPE』では、差別被差別のテーマを提示し、最終的にはそれに打ち克つ人々を観せてきましたが、本作では、決して終わらせない、連綿と続いていく忌まわしき穢れ、を最後まで描き切っています。
物語が映画の中で完結しないことによって、差別が今この瞬間も起こっている現在進行形のものであることを強調させ、「決して忘れてはいけない」「このことを一人残らず伝えろ」という強いメッセージは、我々に黒人差別問題について考えろという直接的な言葉であると同時に、キャンディマンという恐怖のキャラクターの力が増幅し、人々に伝染していくというエンタメ面の文脈をも増強しているのが流石巧いなと思いました。
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