7歳のトランスジェンダーの女の子・サシャのために動き出す家族を追うドキュメンタリー。
妊娠中に女の子を望まなければと自分を責めるお母さんの涙もサシャの泣き顔も辛い。クラスメイトの女の子には「男のくせに」と受け入れられず、男の子からは「女みたい」と言われ、小さな世界を生きる小さい体に刻まれていく傷。
お母さんの言う通りサシャには怒る権利があるし闘うことは無駄ではないけど、他の子が何にも邪魔されず好きなことに熱中している間、サシャは好きな色やおもちゃをひた隠しにして差別と闘わなきゃいけないというのがあまりにも理不尽。色々なことを抜きにしても8歳でこんな闘いをしなきゃいけないことへの疑問が湧く。
だからこそ親には責任があるんだよ、という話でもあるんだろうけど、カミングアウト=した瞬間から(場合にもよるけど)家族ごと、ストレートであれば直面することのない闘いに挑む覚悟をしなければいけないもの、みたいな意味の分からない風潮が完全に消え去る日は来るのかな。
問題があるのは自分を分かっているサシャではなく、それを受け入れられない社会の方だと思う。