タキ

シネマ歌舞伎 三谷かぶき 月光露針路日本 風雲児たちのタキのレビュー・感想・評価

4.2
鎖国中の江戸時代、伊勢国から江戸に向かう回船が難破、漂流の末アリューシャン列島の小島にたどり着く。その船頭大黒屋光太夫と乗組員が過酷な10年にもわたるロシア生活を送り仲間を失いながらもエカテリーナ2世の赦しを得て帰国が叶うという物語。ウィキを見ると残った新蔵がその後も船の難破で漂流してロシアに辿り着いた日本人たちがいれば面倒をみていたということがあったらしい。
最初さすがの三谷さんでもこんなに大人数(17人)のキャラ分けとかどうするんだろうと思ってたらあっという間に人数が減って6人、高麗屋親子にラブリン、猿之助、彌十郎さん、男女蔵さんと濃口メンバーが残る。仲間割れやラブロマンス、友情などあらゆる角度から攻めて来て退屈している暇はない。最後はみんなで日本を目指すという船頭の心意気には胸が熱くなる。
現、幸四郎、染五郎はほぼ出ずっぱりだが、白鸚も重要なシーンにポイント出演。ロシア帝国のナンバー2ポチョムキンの威厳は白鸚ならでは。高麗屋三代揃い踏みはやはり華やかでウキウキする。歌舞伎俳優ばかりの中でヤッシーがいつものヤッシーをキープしててその頑張りはいかばかりかと思う。猿之助さん、庄蔵とエカテリーナ二世の二役、お見事でした。どうしてこんなことになったのかと、惜しく、そして悔しい。
タキ

タキ