「彼は政治家に向いてないと思います」
久しぶりのミニシアター巡り。第10回。
今回は横浜のシネマジャック&ベティ。
知る人ぞ知る有名なミニシアター。やはりなんと言ってもその上映映画のラインナップの数々。ミニシアター向けの映画はもちろん旧作、名作もスクリーン2つをフル回転。この編成能力は凄い。
このコロナの影響で、私が知るだけでも全国で三つのミニシアターが閉館した。その中には私が去年巡った所も。
ただでさえ収益性に乏しい映画館経営。はよ全席OKにせんとなぁ…。
この映画は政治モノのと思わせながら家族の話。テイストとしては想田監督の『選挙2』に近い。
愚直で熱い小川議員を取り囲む周りの人々。中でも健気な娘さんたちにグッとくる。取材期間が17年に及ぶから観ているこっちも「あらまぁ5歳の時はあんなに泣いてたのにぃ…」と目頭が熱くなる。
将来政治家になる？と監督の問いに娘たちは「政治家なんて無理！ましてや政治家の妻なんてもっと無理！」と二人の娘さんが声を揃えて発したのには爆笑。
家族で旗を自転車に刺して挨拶周りするとこなんて最早ちんどん屋だし子連れ狼だったわ。
そりゃどうしたって17年撮影すれば少しはブレそうなものなのにこの小川議員はどこまでもブレない。本人は少し柔らかくなった、なんて田崎さんに言うシーンがあるけど、とにかく愚直。
愚直なだけじゃいかんのか。
熱いだけじゃいかんのか。
魔窟と化した霞が関。強かさもないも生きていけない。果たしてそれは政治なのか。
一映画ファンでは政治を変えることは出来ないけど、こういう映画が当たり前に大手シネコンで流れるようになれば少しは変わるかと思う。映画ファンとして出来るのはそこからかしら。
それともやはり私が一夫多妻制を通すために出馬するしかないのか…！
