かずぽん

燃えよデブゴン/TOKYO MISSIONのかずぽんのレビュー・感想・評価

3.1
【小さなことは気にせず楽しみましょ!】

監督:谷垣健治(2020年・香港・96分)

元祖『燃えよデブゴン』のサモ・ハン・キンポーに替わってドニー・イェンがデブゴンを演じる。リブートの位置づけらしい。
東京ミッションなので、築地や東京タワー、歌舞伎町、ゴールデン街もどきのシーンが出て来る。日本人が監督でもこうなっちゃうのかなあと思いつつ、破壊力のあるアクション・コメディを楽しんだ。

ドニー・イェンが演じるのはブルース・リーに憧れている香港警察の熱血刑事チュウ・フクロン。
最初、画面に登場した姿は全然太っていないので「あれ?」と思っていたら、デブゴンへと移行していく過程が描かれていた。彼の過激な捜査と追跡が一般社会に損害を与え、ついには香港警察の長官の身を危険にさらしてしまったのだ。閑職に追いやられたフクロンは暴飲暴食に走り65㎏から120㎏に激太りしてしまう。
しかし、あの体形であのアクションのキレは流石だった。太った姿になっても残念な感じは皆無で何気に可愛い。(笑)

ある事件の容疑者・山本(葉山豪)を日本に護送することになったフクロン。やっと日本を舞台に事件が動く。
日本の警視庁からは遠藤助三刑事(竹中直人)が担当となる。いつも通りのヅラを被った竹中直人が彼流の適当人間ぶりを発揮。次第に悪徳刑事だったことが分ってくる。
日本の俳優陣では渡辺哲がヤクザの親分役で登場。築地の人魚役にお笑いのバービー。
ちょっと意味不明だったのが、日本の警察署内で大きな声を出すと一斉に「シーッ…」と人差し指を立てられること。そういうイメージがあるのか?不思議…

ブルース・リーだけではなくジャッキー・チェンの出演作、北野武監督の『アウトレイジ ビヨンド』へのオマージュも盛り込まれていた。映画に詳しい方なら他の作品へのオマージュやパロディにもっと沢山気づくことが出来るのじゃないかな。
火鍋店や繁華街での大暴れアクションも面白かったが、一番の見どころは東京タワーでの格闘シーンだと思う。全然東京タワーじゃないのだけど、フクロン刑事と暴力団幹部の島倉(岩永 ジョーイ)のバトルは迫力があって、しかも動きが美しい。

エンドロールでメイキング映像が観られるけれど、もっとご覧になりたい方はYouTubeでも観ることが出来る。ドニー・イェンが徐々に太っていく過程も観られる。彼らがアクションに使う中華街の町並みや家々のセットも実に良く出来ている。

 https://www.youtube.com/watch?v=aRCGlm2ThmQ
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