via「仮設の映画館」
震災をテーマに演劇を創る少年少女を軸に、広野町の人々の暮らしを折り重ね、復興とはと問いかける。意気込んで観始めるも、ふわりと優しく温かく。さらに感慨を深くさせられる良作だった。
非当事者の私が震災について何か語ることに躊躇が無いとは言えないが、決して忘れることなく考えていきたいし、できれば多くの人と語り合いたいと思っている。これからも。
今、コロナウイルス禍に、権力から見捨てられた棄民という実感の中で、これまで暴政に苦しめられていた人々を想う。
大きな痛みを伴いながら震災後にはきっと震災前よりも成熟した豊かな社会を作れるのではないかと期待したが、現実、ベクトルは真逆に振り切られている。
どうか一人一人の人生に想いを寄せて連帯できるように、あの高校生たちのようにぶつかり合いながら、自問自答しながら、諦めそうになっても投げ出すことなく、もっともっと優しい世界になるように…そんな祈りのような勇気を持つために、今観ることができてとても良かった。