リコリス

わたしはここにいるのリコリスのレビュー・感想・評価

わたしはここにいる(2013年製作の映画)
4.6
ペルー映画祭のあらすじ紹介で、「高地のアヤクーチョ、アマゾン川流域のアマゾナス、海岸部のリマを巡り」「知られざるペルーの辺境を旅して」「切り取られた風景の圧倒的な美しさ」というフレーズに惹かれた。映画ってありがたい。登場人物が船を漕いで、バスに乗って、また歩いて移動してゆくと同時にこちらもついて行く。人生が音楽で立ち上がるペルー版「ブエナビスタ・ソシアルクラブ」

歌は即興的なもの、伝統音楽的なもの、アフロ色ラテン色の強いもの。曲想は恋愛、働き詰めの日常、自然に捧げる祈りのようなもの…。カホンやハサミや不思議な形のリズム楽器、素朴な声に甘い声、歌いたくてたまらない声、ギター、バイオリン、ハープなど。それに出てくる人々それぞれが魅力的な面構えと体型で、何気なく民族衣装を日常使いもしていたりする。

音楽だけでは食べていけない、だからアイス売りをしたりするが音楽無しでは生きていけない。一つひとつの家で人が生きているリマの夜景を前にバイオリンを弾く若者も、そうやって生きていくのか。
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