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RUN/ランのytのレビュー・感想・評価

RUN/ラン(2020年製作の映画)
3.7
2020年に配信し、ライオンズゲートが製作した、身体が不自由な少女が献身的にサポートする母親に1粒の薬から疑念を抱き始めるサイコスリラー。主演はキーラ・アレン。コロナ禍の影響からアメリカでは配信でのスタートを切った本作は、サイコスリラーとしてのハラハラ感と恐怖感を十分に持ち合わせる。上映時間90分かつ本作初主演のキーラ・アレンという、少々の不安要素も払拭するくらいの素晴らしい作品であった。

[あらすじ]
→生まれつき身体が不自由な少女クロエと、そんなクロエを献身的にサポートし続ける母親ダイアン。そんな母娘は、ある1錠の薬から日常が崩れ始める。崩れた日常に垣間見える、親子の本当の真実とは……?

[レビュー]
・予想とは裏腹に期待を越える面白さだった。母親ダイアンの序盤の優しさと一転して訪れる狂気が良い対比となっていて、恐怖感を助長させていたし、何よりそこが本作の見どころの1つとなっている。母親の狂気さもまるで作品は違えどミザリーのような匂いを感じて良かった。身体が不自由というところで、出来ることが限られるからこその母親の狂気感が怖かった。

・前半と後半で空気感がガラッと変わるサイコスリラーは、ありそうでなかった展開の数々。ラストシーンもある意味本当の親子愛を感じる意味深な終わり方。90分という最近にしては短めな作品で、これだけの良質な作品はそうそうないだろう。

・また、クロエ役のキーラ・アレンの演技が上手すぎる。本作初主演にしてはびっくりするほど演技が上手かった。実生活でも車椅子を利用しているそうで、同じ状況だからこその上手い演技が出来ているのだろう。演技の上手い主人公と、短いけれど上手くまとまっている脚本があったからこそ、これだけ良質な作品になったんだろうね。色々考察が出来るような内容になっているのも凄い。

・本作は母親の過保護の行き過ぎかとも思っていたが、代理ミュンヒハウゼン症候群という精神疾患もあるのだそう。ここで記すと長くなるため割愛するが、実際にこういった疾患が存在するのは恐ろしすぎる。

👉上映時間90分で見ることのできる良質サイコスリラー映画。心霊系のホラー映画が苦手だけど、夏だから少し怖い映画が観たい!という方には持ってこいの1作だ。
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