「キリエのうた」公開記念レビュー🎊
彷徨える魂、迷える魂を、いつも真面目に純粋に追いかけ、そして誰にも真似の出来ない抒情的映像で描く岩井俊二。実は国際的にも日本でも、大きな賞は獲っていないが、その独自のスタイルと映像美は、唯一無二であり、世界に冠たる映像作家として誇りに思う1人だ😌(エラソー星人憑依中)
本作は「ラストレター」のオリジナルで、中国を舞台として役者さんも全員中国の方🇨🇳「ラストレター」は優れた作品だが、どうしても「ラブレター」とのセットで観てしまうのだが、本作は単独作品として非常に完成されている。先に「ラストレター」(勿論、「ラブレター」も)を観ているのだが、別のものとして観ても全くおかしくない。
そもそもオリジナルを海外で制作して、その後にリメイク亜種を本国で、しかも同一監督が撮るなんてこと自体が前代未聞な訳だが、他の監督では出来ないようなことを可能にしてしまうのが、岩井俊二の凄いところだと思う😮
時代を超えて交錯する人生を手紙が紡いでいく。誰かの気持ちが誰かに伝わっていくのは、時に書面であったり、SNSだったり、糸電話だったりするのだけれど、岩井俊二はアナログだからデジタルだからといったような括りをしない。彼は"気持ち"を描く映像作家なのだから、伝達手段はツールでしかない。
淡く優しい光はまさにこの監督のトーンで、舞台が中国でも変わらない。普遍性を持ち合わせた、という意味では、もっとも芸術性の高い作家なのではないだろうか?