レッドキング

監視資本主義 デジタル社会がもたらす光と影のレッドキングのレビュー・感想・評価

3.8
Netflixオリジナルのドキュメンタリー作品。
今や生活の一部となっているSNSの功罪、社会への影響に関して
Facebookや InstagramなどのSNS開発担当者のインタビューとドラマを織り交ぜながら解説。

普段何気なく使用しているSNSが、実は私たちが予想している以上に我々の行動を監視し
操作していることがよく分かる。
皆さんもYouTubeやInstagramのリール動画など、何気なくオススメを見ていて気づいたら何時間も経っていた、なんて経験ないでしょうか?
広告主にとっては「閲覧数」「クリック数」が最大の収益源となり、それが故に「いかに利用者の興味関心を惹くか」が大命題になっている。
裏で働くそれらのアルゴリズムは、すでに人間の手を離れて独自に私たちの趣味から思想・行動把握までしてしまうというから恐ろしい。

元々「いいね!」は愛情を手軽にできる伝える手段として開発したのに、それが承認欲求につながり
10代の若者たちの鬱病・自殺が増えてしまったと葛藤していた開発者の言葉が刺さりました。
気軽に相手と繋がれるようになった反面、フェイクニュースの拡散や政治選挙への情報操作など、開発者の意図とは反する副作用に彼らは警鐘を鳴らしている。
実際、トランプ大統領選挙の際もトランプ支持者のSNSには「トランプ劣勢」といった情報が一切流れていない、などの弊害が出てしまっていた。
住まいや思想の違いで、入る情報に偏りが出ていたということで、それが分かりやすく人々の衝突にも繋がってしまった。

開発者は口を揃えて「自分の子供にはSNSをやらせない」と言っていました。
当然ここまで便利になった世の中で、明日から原始時代の生活に戻しましょう!なんてわけにはいきませんが
彼が提唱するスマホとの適切な接触法として
・通知をオフにする
・アプリを減らす
・寝室に持ち込まない
など、ちょっと頑張ればできそうなものが多かった。
これを見てからSNSの友人フォローを外して過度に周りが何をしているか?を気にしないようにしたり、
スマホを触らなくても現実の「今」に目が向けられるに、私もちょっとずつ頑張ってみています。
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