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白い暴動のkissenger800のレビュー・感想・評価

白い暴動(2019年製作の映画)
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アマプラ会員無料ラインナップに来ていたので久しぶりに。

ロック・アゲインスト・レイシズムなんて自家撞着じゃないですか、だってロック・ミュージックなんて肌の色にアイデンティティを見出すひとたち「ではない」ところから出た音楽よね? レイシズムに抗するなんて当たり前じゃん? ……って思うじゃないですか。

何が良いって作品で剔抉される蟲毒ことナショナルフロント(NFL)、すなわち当時のUKにおける極右勢力が2024年現在の日本におけるI新、S政党、etc., etc., のみならず政権与党にも通じる、と最初から最後までしつこく描かれるところ。
いちばん笑えないのは-あえて繰り返しますけど-本邦の政権与党にNFLマインドが広く流通していることを俺たちが目撃していて、それを止めることが叶っていない点です。「過去の」「UKの」話じゃない。

レイシストが敵視する対象はマイノリティで、それは人種だけでなく性的嗜好だったり信条だったり経済状況だったり障害だったり職業だったりジェンダーだったり(息継ぎ)あるいは「多数派を多数派というだけで支持できちゃうひとたちに違和感を覚える俺たち」にほかならないんですよ。
まさかそんな。って思いますか。

でもね、理解が得られようが得られまいが、なんです。あいつらは(おまえたちとは言ってねえよ)そういう奴らで、俺たちはいっさい納得していない。本編で流れるパンク楽曲の多くがそう歌う通りで……いやー、アドレナリンが分泌されるな、Oi!
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