“もし抑圧者の不正に俺のように苦しんでいたら、ケリーの血を思い出せ。”
19世紀の豪州で、腐敗した権力に屈することを拒否し、兄弟や仲間たちと“ケリー・ギャング”を結成し、英雄的な反逆者となったネッド・ケリー…伝説よりもパーソナルな部分を大胆に描くフィクション。
そう、冒頭に “この物語に真実は含まれていない。”と字幕があっての、このタイトルで…義賊な部分に一切触れない妙味。
よって、ネッド・ケリーについて知らないとキツくもあり…自分もそうだったが、日本人には煮え切らなさが残るかも。
うん、明解で派手なアクションは少ないので消化不良感はあるも…紆余曲折の葛藤とその緊張感と幻想的な映像等に引っ張られましたね。
そして、とにもかくにも母親の影響が大きいってのが興味深くて…で、実はネッド・ケリーに妻子はおらず、なるほどなぁと見終えはしましたが。
なお、キャストでは、まずはジョージ・マッケイ…なかなかの鬼気迫る熱演。
流石の貫禄のラッセル・クロウに、 ニコラス・ホルトのくせ者ぶりに、チャーリー・ハナムの存在感もいい。
さらには、母親役のエッシー・デイヴィスの好演も印象に残り…トーマシン・マッケンジーもいい仕事してます。