スローモーション男

ラスト・ショーのスローモーション男のレビュー・感想・評価

ラスト・ショー(1971年製作の映画)
4.5
昨日は変なレビューをいっぱい投稿してしまいました🙇🙇‍♂️🙇‍♀️


 ピーター・ボクダノヴィッチが一躍有名になった映画。

 テキサスの田舎町にいる将来もない高校生たちと行き場のない大人たちのやるせない物語。

寂れた田舎町でなにもやることやくて、さかりのついた猫の状態。いまで言うと「ヤリモク」しか出てこない。もうずっと、登場人物たちが自分のことしか考えてなくて気持ち悪かった…。こういうの今の日本の大学生にも多いけど、万国共通なんですね。

 特にヒロインのシビル・シェパード。美人だけど相手は誰でもいいし自己中すぎる性格。こういう人もいますね。それで男が寄ってきて身体だけの関係しかない。

 主人公のティモシー・ボトムズもやりたいことがないのに、やるせない気持ちで人に流されてく。人妻と関係を持ったと思ったら、シビル・シェパードのほうへ行っちゃう。そんな彼を引き留めるのがベン・ジョンソン演じるサムと知的障がいの少年。
ベン・ジョンソンが本当に重要な役で素晴らしい。彼こそが古きよきアメリカを守り、若者に人生を語る。
ジェフ・ブリッジスも本当に良い味を出してる。

正直、自分が嫌いなタイプの人しか出てこなくてハマれなかったが、最後のシークエンスの連続が本当に素晴らしかった。
町の唯一の娯楽であった映画館の閉館と唯一、自分が純粋な心を持てる人物の死によって初めて人を愛することの重要さに主人公は気づいたんです。そしてもう一度愛する人のもとへ…。

 この映画もみんな孤独で自分のこと愛せなかったんですよね。
ボクダノヴィッチは超名作『ペーパームーン』でこのテーマを持っていきます。
ちゃんと評価されたのが『ラストショー』と『ペーパームーン』しかないのですが、観れるものは色々観ていきたいです。


あとこの映画を3年前の大学一年の時に紹介してくれた先生にも感謝。