漱石枕流

唐人街探偵 東京 MISSIONの漱石枕流のレビュー・感想・評価

唐人街探偵 東京 MISSION(2020年製作の映画)
3.5
前作、前々作とノレなかったので、今回も内容面ではあまり期待はしなかった。スルーしないのは、日本が舞台だから。どんなふうに撮られているのかは気になる。というわけで鑑賞したのだが——

そしたら、やややっ! それほど悪くはなかった。理由は、今までおざなりにされていた被害者や加害者たちのドラマが作り込まれていたからだ。とは言っても、もちろんこのシリーズらしいクオリティーの範囲内であるわけだが。

推理の方はやっぱりご都合主義先行で「なぜ全国指名手配犯のアジトがもうすでに判明しているのか?」みたいな疑問がいくつか湧くのだが。ただ、密室殺人の種明かしとかは、けっこうそれらしくできているのではないかと思う。

あとメイン言語は中国語だが、舞台は日本——このケースはセリフのやり取りが煩雑になりがち。それをこの作品はワイヤレスイヤホン型翻訳機を登場させることで、スッキリさせている。これはコメディーの強みだと思う。

またビジュアル面でも一定程度作り込まれているし、過去の外国映画にありがちな日本や日本人の描写に対する違和感もほとんどなかった。むしろ映像に関しては邦画よりも厚みがある。日本の映画制作者の奮起を期待する。

[オリジナル音声+日本語字幕]2023/10/25 WOWOWシネマ(09/09録画)
漱石枕流

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