「この死体は?」
「ひき逃げだよ」
「犯人は捕まったのか?」
「まだ逃げているらしい」
はーい、ここにいます。……主人公ヤバ過ぎる。
不注意で男を轢き殺してしまった警備員の主人公。普段とは違う病院の警備を命じられたら、自分が轢き殺した死体があって、自業自得な目に遭うというお話。
パラグアイ映画初視聴。
付けてる点数は低いけど、なかなか見どころはあって面白かった。
死体がヒタヒタヒタからのドーン!や、「志村後ろ後ろ」や、勝手に開く扉に、防犯カメラの粗い映像、深夜の病院の音のない闇など、ホラー映画の定番演出は結構良かった。
ただ、その定番に組み合わせた日本ではあまりお目にかかれない斬新な演出の数々が「?」で作品をよく分からなくしている。
突然始まる謎のおっさんとの鬼ごっこだったり、ゴミ箱への瞬間移動だったり。ラストのオチだったり。遺体安置所にいる様々な霊との絡みといい、色んな要素を詰め込み過ぎて、カオスな作品になってしまった。
パラグアイホラーでは、これが普通なんだろうか?
あと、主人公のキャラクター設定がかなりヤバくて(誉めてます)、作品をホラーというよりは、コントみたいな味わいにしていた。
本作の主人公。手癖が悪い小悪党で、元同級生の顔も憶えていない乏しい記憶力に、自分が轢き殺した死体がある場所で恋人と呑気に電話して「ホラー映画でも見よう」と誘うほど神経がヤバい。
ガチクズを通り越して、脳の障害を疑うレベル。
なので、怪異に襲われても、わー、ぎゃー喚くだけ。見ているこちら側は、主人公の取り乱す様を微笑ましく見守ってしまった。
「自分で撒いた種は自分で刈り取るもの」
そうなんだけどさ、回りくどすぎないか?