鈴木建設

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実の鈴木建設のレビュー・感想・評価

3.5
三島由紀夫の東大における伝説の討論会収録のドキュメンタリー映画
討論会当時の映像と内田樹、平野啓一郎など有識者、元全共闘活動家たちの証言を挟みながら展開される構成
東出昌大のナレーションにより「左翼・右翼」くらいの基礎知識があれば政治背景、討論内容が理解できるように編集されている

証言の中でも全共闘として討論に参加した劇作家、芥正彦が印象的だった
当時も三島由紀夫に食って掛かっていたが、今も攻撃的言説は健在
三島との共通点の敵を「あやふやで猥褻な日本国」と一言でまとめる姿勢は見事
「媒介としての言葉に力があった最後の時代」と当時を振り返る
論破や相手を打ち負かすことが議論の目的になっている現在
三島由紀夫はどこまでも誠実に全共闘活動家たちと向き合う

だが、全共闘の敗北について問われた答えは呆気にとられるものだった
「君たちの国ではそういうふうにしたんだろ?俺の国ではそうなってないもん。証拠がいるんだよここに。私の国では私という証拠がある。君たちの国には私がいないからね、ここで私が息をしている。言葉をしゃべっている、誰のマネもしないでしゃべっている」
三島由紀夫と空間と時間を共有していたあの1963年5月13日は何だったのか?
結局、言葉遊びに終始し、総括もせず責任を取らなかったことが見て取れる



しかし、素朴な疑問が残った
なぜ三島由紀夫と交流のあった美輪明宏が出演してないんだろう?
鈴木建設

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