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17歳の瞳に映る世界のにのレビュー・感想・評価

17歳の瞳に映る世界(2020年製作の映画)
4.4
これより前に観たレビューしていない映画がたくさんあるんだけどこの映画の感想は、今すぐに書くべきだと思った。

痛ましい程にリアル。
女が自由に手放しで生きていくことの難しさが痛いほど伝わってきた。

道徳的宗教的理由で中絶が出来ない、もしくは中絶しにくい雰囲気がすごくあって、中絶するなんて非道だみたいな。
そういう主張があることも理解できるんだけど、それは望まぬ妊娠をした少女にも当てはまることなのだろうか。

養子システムあるよって言われてもさ、まだ10代の少女が妊娠出産をするリスク(体の面でももちろんだし学校やこれからも続いていく彼女の将来)を、大人がもっともっともっとちゃんと考えるべきなのでは。
私には娘がいるのでめちゃくちゃ考えてしまったよ。

オータムの場合は義父の性的虐待なのかな?
そう思わせるシーンがたくさんあったから、私はそうなのかなって思ってるんだけど…ほんと辛い。
オータムは自分が告発することで家族を崩壊させてしまうと思ってお母さんにも言えずにいたんだろうな…

原題になっているセラピストの問いかけのシーンは重くのしかかってくるようだった。
自分の体のことは自分で決めるし、未来も自分で選べるのが当たり前のことだよっていう世の中になって欲しい本当に。

この映画に出てくる男性は誰も彼も不快だったけど女目線からすると彼らはとてもリアルだったと思う。
女は女はってかざしたくないけれど、私たちはいつも自分の身を守るので精一杯だし、それが日常だ。

少しでも生きやすい世界になれば良いな。
オータムの最後の少し安堵したような寝顔が子供のようで尊かった。
いとこちゃん優しくて時にしたたかで、観ながら大好きになっちゃった。いい子。

男性にこそ観てほしい映画だと思った。
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