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17歳の瞳に映る世界のrussiancakeのレビュー・感想・評価

17歳の瞳に映る世界(2020年製作の映画)
3.8
17歳のオータムは中絶するためにNYを目指す。重いテーマなんだけど「重い」だけで片づけられない何かがある映画だった。背景の説明もなし、セリフも少ない、静かに淡々と話は進む。カメラが不自然なくらい近くて瞳にズームする演出が胸にくる。

カウンセラーの提示するNever Rarely Sometimes Alwaysで抑えきれない苦しみが一瞬表出する。このシーンが本当にリアルで目が離せなかった。このフレーズが原題となっていることにとても納得。

「頼る」という選択肢さえ見つけられず「自分で何とかする」を繰り返すオータムに胸を抉られるような気持ちになった。どんな理由、どんな経緯があろうと自分の体は自分で引き受けなきゃいけない。これは映画でも何でもなくてすぐそこにある現実。その理不尽さに噛みついてもどうにもならない。歯痒さしかないけどスカイラーが隣にいてくれてよかった。
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