千年女優

るろうに剣心 最終章 The Beginningの千年女優のレビュー・感想・評価

4.0
開国迫る討幕派が幕府と激しい争いを繰り広げる文久四年。後の維新三傑・桂小五郎直属の維新志士で、古の剣術「飛天御剣流」を用いた暗殺の数々から「人斬り抜刀斎」と恐れられる緋村剣心。心優しく理想に燃える一方で血にまみれた生活の落差に苦しむ彼が、没落武士の娘・雪代巴との出逢いから残酷な運命を歩む様を描く時代活劇です。

和月伸宏が『週刊少年ジャンプ』に連載して90年代に爆発的な人気を博した同名漫画を大友啓史の監督で映画化した人気シリーズの最終作で、原作のラストエピソード「人誅編」では過去の回想として描かれた緋村とかつての恋人を巡る前日譚を、これまでシリーズを引っ張ってきた佐藤健の相手役に有村架純を配役して有終の美を飾りました。

長期連載漫画を映画の尺に合わせてきたこれまでとは異なり、原作でもジャストサイズの物語を当てはめることでシリーズで最も『るろうに剣心』した物語となっています。テーマとしての掘り下げは十分ではないとはいえ富国強兵のための明治維新を虐げられる人を救うためと欺かれた「ヒーロー」アコガレの少年の苦悩を映しだす一作です。
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