MayuShimada

EMMA エマのMayuShimadaのレビュー・感想・評価

EMMA エマ(2020年製作の映画)
2.5
このお話の現代版リメイクである「クルーレス」が好き、主演のアニャが好き、ということで鑑賞。

まず言いたいのは、登場人物の名前と顔一致させる時間くれ!でした(笑)
たくさん登場人物がいるわけじゃないし初登場時に名前がちゃんと呼ばれるんだが、時代設定的に衣装とか髪型がみんな似たような感じだし、何より誰がどのくらいの階級に属す人なのかがわかりづらい!
なのに主人公のエマはよく階級の違いに言及するんだよ。
エマちゃん今誰の話してる…?って思わなくなるまでにちょっと時間がかかった。クルーレス見てたお陰でなんとなくの相関図がわかってたから良いものの、何も知らないで見ると混乱するかもしれない。

現代に生きていると、女性にとっての「結婚」の重要性がそこまで高くはないから、この映画のアプローチから婚約までのスピード感にかなり違和感を覚える。虚構の中だけの早さなのかなとも思うけど、おそらく、舞台となっている時代においては、相手のことを深く知らないうちに家同士の取り決めや地位や財産を守るための手段として結婚が決まるってことはよくあったんだろうなぁとか思いました。

まぁ~~エマさんが高飛車で。
親切な言い方をすれば、エマは自分に自信を持って生きているんだよね。でも、自尊心が高いことと、自尊心が高過ぎることって、ほんのちょっとの違いだと思うのよ。ほんのちょっと行き過ぎただけで周囲の人を傷付けちゃう。
悪気はないんだよな。見下しているつもりも他人を自分の尺度で勝手に評価しているつもりもないんだけど、でもやっちゃってんのよね、どっちも。

印象的だったのは、「エマも恋をして相手の気持ちを考えて気を揉む時間があれば、もっと成長するだろう」みたいなことをナイトリーが言ってたとこですね。
そういうとこあるよね~、恋愛って。難しいよねぇ。失敗したらめちゃくちゃ傷付くからもう2度とごめんだって思うけど、恋愛は恋愛で他の人間関係からは得られない学びがたしかにあるよなぁとかしみじみ思いました。

クルーレスのほうではあんまり丁寧に描かれていなかったと思うんだが、エマとナイトリーがお互いに対して何か特別な気持ちがあるかも?と気付いていく過程がこちらではじっくり描かれていた気がする。そのへんはすごく好きでした。
あと衣装ね!衣装が全部可愛い!!
男性陣のあの襟は擦れて肌荒れしそうだなと思ったけど。

エマが自分の傲慢さに気付いてからの展開が、ご都合主義だけど私は好きです。
いろんなことに素直になれたよね。自分の気持ちとか、傷付けちゃった人へのフォローとか、下手くそでもなんとか修復しようとするエマはなんだかとても愛おしい。
セイヨウニワトコの木(に見えたけど違うかも)の下でナイトリーと痴話喧嘩するところとかめちゃくちゃ可愛いかったですね。テンパりすぎて鼻血出るって、いかにもこの時代の乙女っぽいというか(笑)

足ひねったぐらいで死ぬんかってぐらい悲鳴あげてるハリエットもなかなかの乙女でしたが。

いや良いんですよ別にね、痛いのムリなのはわかるから。
この時代の女性たちがアクションシーンをこなす女性スタントさんたちとか見たらどんな顔するんだろうってちょっと思って面白かったです。(そこ?)
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