Rocko

ブラックバード 家族が家族であるうちにのRockoのネタバレレビュー・内容・結末

2.9

このレビューはネタバレを含みます

あらすじで既にネタバレしている内容ですが、念のためネタバレ設定でレビュー。
母を看取るために海辺の家に家族+αが集まる最後の週末。限られた時間で愛する人の死を見守る葛藤を描いたヒューマンドラマ。
不治の病に冒され、身体が動かせるうちにと自らの意思で人生の幕を閉じることを決意する母親役にスーザン・サランドン、生真面目でしっかり者の長女役にケイト・ウィンスレット、姉とは正反対の情緒不安定な次女役にミア・ワシコウスカ。父親役には『ジュラシック・パーク』シリーズのサム・ニール。

監督は『ノッティングヒルの恋人』のロジャー・ミッシェル。
デンマーク映画『サイレント・ハート』を、その脚本家クリスチャン・トープがアメリカでの映画化に向けて脚色した。

海辺の家の外観や家の中のインテリアや絵画がとても素敵。こういうの見る度に自分の家片づけなきゃと思う笑 
ケイト・ウィンスレットはまたしても主婦役ですが、母親スーザン・サランドンとのオスカー2大女優の高レベルな演技が最大のみどころでありました。ミア・ワシコウスカの繊細で不安定な表現力とケイト・ウィンスレットの子供ジョナサンを演じた子のピュアなところもよかったです。
家の中に8人という設定でずっと進んで行く家族団らんや食事シーンの長回しはとてもよかったし、尊厳死という重いテーマに少しずつユーモアを取り入れながら進んで行くのは限られた幸せな時間を演出するとても好きな部分でした。

以下、ネタバレ含む感想(鑑賞する予定があれば読まないでくださいね)



起承転結を無理に構成した感じでストーリーを変化させる途中の部分に無駄なサスペンス要素と情報量の詰め込みで一気に感動が薄れてしまいました。
大事な命のテーマに愛人疑惑でかきまわすとか要らん・・・
そしてずっとケイト・ウィンスレットとミア・ワシコウスカの姉妹が似てないのに違和感があって、ミア・ワシコウスカは親友のリンゼイ・ダンカンの方に似てるのと生を受けた時の適当な場所が引っ掛かってたけど、そこは特に愛人話を複雑な方向に持って行かなかったのでホッとしましたが。
主要なストーリーラインから逸らして無理やり結末で戻しても感動に至らず、最後のシーンなんて夫が完全犯罪を成し遂げた黒幕に見えてしまったw
個人個人の性格は主張が強くても安楽死に賛成でも反対でもそれが個性なので別に共感できなくてもいいんです。
しかし家族以外の部外者であるレズビアンの子が何であんなに偉そうだったんですかね。

監督というより脚本が残念。クリスチャン・トープはドラマ版『ミスト』の製作指揮もしてるんですね。見てませんが。
タイトルの『ブラックバード』も内容と合っているようには思えず。
監督インタビューによるとポール・マッカートニーの『ブラックバード』をクリスマスディナーのシーンで皆で歌う予定だったのをセンチメンタル過ぎるという理由で使用曲を変更したそうな。
ビートルズのBlackbird大好きだから使って欲しかったなぁ。それがマイナスになるとは思えないけど欧米だと有名過ぎて使いにくいのもあるんでしょうかね。
親友の部屋着が謎にツェッペリン。

実力派の俳優揃いだったのに内容が釣り合わず、期待を込めて劇場に観に行ったのに残念でした(´;ω;`)
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