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仔鹿物語のmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

仔鹿物語(1946年製作の映画)
3.9
ピュリッツァー賞を受賞したマージョリー・キナン・ローリングスの同名小説をクラレンス・ブラウン監督が映画化したファミリー・ドラマの名作。
厳しい現実を経験してたくましく成長する少年の姿を中心に、開拓農民の生活を愛情込めて描いている。
原題:The Yearling(一人立ちする年齢を迎えた小鹿と同じ時期に達した少年を表している)。(1946)

南北戦争後、ペニー・バクスター(グレゴリー・ペック)は、フロリダ州北部の森林地帯を開墾し、妻オリー(ジェーン・ワイマン)と11才の息子ジョディ(クロード・ジャーマン・ジュニア)と3人で暮らしていたが、家には井戸もなく生活は楽ではなかった。
ある日、ペニーはガラガラヘビに噛まれ、特効薬の心臓と肝臓を取り出すため、近くにいた雌鹿を殺す。
動物好きの息子は、残された子鹿(フラッグ)を飼うことを許してもらい可愛がるが、小鹿は成長するにしたがって大切な作物を食い荒らすようになる…。

終盤、厳しい現実を経験した息子に、父はある頼みごとをして、子どもの成長を促します。

「愛することを恐れないで」

「残されたものが少しでも、それに感謝しよう。ほら、太陽だ」

「それが人生だ。得て失い、失って得る」

「人生は素晴らしいものだが、楽じぁない…
人は皆、孤独だ。
では打ちのめされた時はどうするか。前に進むしかない」

感受性豊かな少年を演じたクロード・ジャーマン・ジュニアがとてもいい。
グレゴリー・ペックは子どもに人生の素晴らしさと厳しさを教える人間味あふれる父親を、ジェーン・ワイマンは子どもたちを次々と亡くし心を閉ざした母親を好演。
子どもたちがこのような映画を見られる機会が減っているのが残念。
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