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仔鹿物語のVのレビュー・感想・評価

仔鹿物語(1946年製作の映画)
3.7
原作はピューリツァー賞を受賞している『仔鹿物語』という小説から。フロリダに住むアメリカ開拓民家族の厳しい生活を描いた仔鹿版ラスカルみたいな話。猟犬を使って日々狩猟をしたりタバコの葉やとうもろこしなどの作物を育てたりしながら毎日ギリギリの生活をしている。とある日毒蛇に噛まれたグレゴリー・ペック(父)が雌鹿を撃ち殺し臓器を消毒として使う、負い目を感じた息子がすぐそばにいた仔鹿を保護する。日に日に大きくなっていく仔鹿だが、せっかく植えた作物を食い荒らし一家は困窮してしまう。子供のジュディはわざとじゃないと庇うが、何度もペットの鹿による食い荒らし対策をしてもどうしてもうまくいかず…仔鹿の運命は…というストーリー。モヤっとするというか、可愛がってるけど、可愛いだけじゃ許されない生活の厳しさ→仕方なさの葛藤で辛かった。名作であるのは確かなんだけど。序盤の熊と猟犬の葛藤シーンとか、CG技術がない当時、本当にやってて映画の撮影のためだけにああやってクマと戦わせて熊と犬も故意に傷つけたりだとか、鹿を母親が叩き倒したりとかする描写、やめてほしいと思った。現代は映画に使われる動物の権利を守るアメリカ人道協会があったりCGがあってくれて本当に良かった。生活の困窮は死活問題だしペットとして鹿飼いながら狩猟するのも生きるためだから百歩譲って良いとして、(狩猟とかいう娯楽文化は大嫌いなんですが) 良心と生活環境との葛藤が非常につらかった。名作であることは確かなので一見の価値あり。
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