「幽霊だと思ってないんじゃないかな」
配信やディスク化の予定はないとのことで、慌てて劇場に。
でも、それもそのはず。
この世界観に音。これはまたハリウッド映画とは別の意味で劇場案件。ノーランのアレを観るより絶対にこっちのほうが劇場で観たほうがええわ。
トンネルを抜けたら雪国があるように
ネコバスに乗るとお母さんに会えるように
カオナシと電車に乗ると別世界に行くように
今までも色んな作品で乗り物に乗ることで他者の世界に踏み入る世界観は表現されてきたけど、この監督の世界観も凄い。
そして音への執着と拘り。これはもはや監督のフェチズムが爆発したAVといっていい。すんごい才能だねこりゃ。
異世界(といっていいのか)と触れる感じは黒沢監督よりよっぽど黒沢監督っぽい。
場所やモノ、そこにあったであろう魂や音。何が観えとるんやこの人。
四角に拘った画角とかマジで謎すぎて好き。
人によっては理解不能だし合わない人も多いだろうけど、私はこの監督の情熱とフェチズムに触れられただけで大満足。
この瑞々しさは去年でいう『お嬢ちゃん』ぶりだわ。
正直、今年の邦画ベスト10入りあると思ってます、はい。