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アントマン&ワスプ:クアントマニアのYYamadaのレビュー・感想・評価

3.9
【マーベル・シネマのススメ】
 マーベル・シネマティック・
 ユニバース㉛【フェーズ5】

◆監督:
 ペイトン・リード
◆ゲスト大物俳優:
 ビル・マーレイ
◆ミッション:
 量子世界からの脱出
◆ヴィラン:
 征服者カーン
◆ポスト・クレジット・シーン:
・ミドル: その後のカーン
・エンド: Disney+ドラマシリーズと接続

〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・『アベンジャーズ/エンドゲーム』では量子世界を使ったタイムスリップの可能性に気づき、サノスの最終決戦に向けて重要な役割を果たしたアントマンことスコット・ラング。
・ある時、実験中の事故によりホープや娘のキャシーらとともに量子世界に引きずり込まれてしまったスコットは、誰も到達したことがなかった想像を超えたその世界で、あのサノスをも超越する、すべてを征服するという謎の男カーンと出会う…。

〈見処〉
①世界を変えるのは、最小ヒーローか
 最大の敵か——
・『アントマン&ワスプ:クアントマニア』は、2023年のスーパーヒーロー映画。「マーベル・シネマティック・ユニバース」(MCU)の31作目であり、MCU「フェーズ5」第一作目とされている。
・体長1.5センチの世界最小のヒーロー、「アントマン」の3作目である本作は、アントマンことスコット・ラング役にポール・ラッド、アントマンのパートナーとして戦うワスプことホープ・ヴァン・ダイン役のエバンジェリン・リリーをはじめ、マイケル・ダグラス、ミシェル・ファイファーらおなじみのキャストが集結。スコットの愛娘で大人に成長したキャシー役を『名探偵ピカチュウ』のキャスリン・ニュートン、謎の男カーンを『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』のジョナサン・メジャースが演じる。

②ペイトン・リード
・本作の監督は、シリーズ前2作に続き、ペイトン・リード。
・1964年生まれのリードは、1980年代からテレビで活動した後、キルスティン・ダンスト主演の『チアーズ!』(2000)に映画監督としてデビュー。
・以降『恋は邪魔者』『ハニーVS.ダーリン 2年目の駆け引き』『イエスマン “YES”は人生のパスワード』といったコメディ映画を撮り続け、2014年、降板したエドガー・ライトに代わって映画『アントマン』に抜擢されている。
・MCU作品ではシリーズ全作を同一の監督が務めるのは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のジェームズ・ガンなどが数えれる程度であるが、コメディタッチの作品を得意とし、アントマンの世界観を把握するリードが最適任として、続投に繋がった。

③結び…本作の見処は?
MCU作品に活気が戻ってきた!
◎:『アベンジャーズ/エンドゲーム』以降、迷走気味であった「マーベル・シネマティック・ユニバース」(MCU)の「フェーズ4」に対し、マルチバースの世界観の広がりを本作は的確に示唆。「フェーズ5」の幕開け作品として、後続作品に対する鑑賞意欲を沸かせることに成功。
◎:「こんな敵に勝てるか!?」ミドルクレジットによる征服者カーンに対する絶望的な状況はサノスを上回る。ヒーロー映画は、ヴィランが魅力的でないと名作にはならない。
○:「小さなものからまなぶべきこと」~シリーズ全作に通ずる娘への愛情は本作にも引き継がれ、胸に迫るシーンも印象的。
○: 年老いても美しいミシェル・ファイファーが真の主役と云えるほどの活躍を見せ、マイケル・ダグラスも健在ぶりを示している。
▲: 量子世界は『スターウォーズ』新三部作に通じ、ビル・マーレイの使い方も既視感あり、新鮮さに欠ける。
×: コメディの熱量は、前2作品から大きく低下。マイケル・ペーニャが演じるルイスの未登場は、大変残念。
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