このレビューはネタバレを含みます
ラトビアからベルギーに出稼ぎに来た青年オレグが失職してポリッシュマフィアに取り込まれるお話。自らをヤン・ファン・エイクの「神秘の子羊」に擬えてますが、どうなんだろう。
もしやオレグは頭が弱いという設定なのか?と思うところも。そうならば、パーティーに入り込んで主催者と談笑するクソ度胸も、ジタとのセックスシーンも、怪しすぎるアンジェイに簡単に引っ掛かるのも、そこで見せる追従じみた笑みも、意味が分かるような気がしました。
手持ちを多用した撮影が上手く、効果的だったように感じました。リアルというよりは生々しい演出もあり、もしや実話ベース?なんて思ったりしました。演技もオレグの凡庸さやアンジェイのチンピラぶりが素晴らしかったです。
アンジェイに取り込まれる様子はイマイチ。災難続きのオレグですが、指飛ばして会社クビになるところからして無理があったように。
弱者を描くという点で個々の視点では成功していても、俯瞰的な視点としては今一つのように感じた作品でした。