シンタロー

ペティコート作戦のシンタローのレビュー・感想・評価

ペティコート作戦(1959年製作の映画)
3.6
ブレイク・エドワーズ監督×ケイリー・グラント&トニー・カーティス主演。
潜水艦隊司令官のシャーマン提督は、廃船予定のシータイガーを訪れ、自身の航海日誌を見ながら、初代艦長を務めた太平洋戦争当時を懐かしむ。1941年12月、シータイガーはフィリピンで日本軍の攻撃を受け大破。乗組員が応急処置にあたるも資材不足に悩まされる。そんなときに配属されたホールデン大尉は、潜水艦の乗船経験ゼロ。海軍では専ら娯楽担当だったが、物資"調達"の天才的才能を発揮し、シータイガーは何とか出航するも、浸水トラブルでマリンドゥケ島に停泊。そこでホールデン大尉は、不時着事故で取り残された5人の女性看護兵を救助。彼女たちの乗船に乗組員は浮つき艦内はトラブル続発…。
戦争映画は好まなかった祖父の影響で自分もあまり観ないのですが、これは何度も一緒に観たなぁ。いかにもアメリカ人受けしそうなシットコムで、ケイリー・グラント&トニー・カーティスという、当時のアメリカで大人気のドル箱スターを主演に、この年の全米興行成績2位の大ヒット。ムサ苦しい男達の中、爽やかで美形なホールデン大尉が美女軍団だけでなく、豚やら山羊やら妊婦!まで乗り込ませるもんだから、艦内はめちゃくちゃ。それがいつの間にか、家庭的な連帯感を生むという、ホッコリした笑いに発展する不思議。そんなホールデンに振り回されまくるシャーマンは一応ツッコミ役?天然ボケの巨乳美女クランドル中尉にも翻弄されまくりで、終始あたふたするロマンスグレーが微笑ましく映る不思議。ビートルズもビックリ?なピンクサブマリンまで登場する仰天な展開で、ちょっと長めですが、最後まで飽きさせません。
ケイリー・グラントは撮影時54歳。俳優業末期ですが、現役感バリバリで人気絶頂な頃です。サスペンスやラブストーリーのイメージですけど、本人は意外とコメディ好きだったみたいです。何やらせてもケイリー・グラント?大根役者の代表格のように語られることも多いです。5度の結婚やランドルフ・スコットとの同性愛のような関係等、謎めいた私生活も魅力の1つですね。対するトニー・カーティスは、美形で正統派なイケメンですが、その路線からコミカル、シリアス、主演、助演と幅広くこなす個性派に進展して、息の長い活躍をされました。ジャネット・リーとはお似合いの人気夫婦でしたが11年で破局。こちらもその後4回結婚。本作は後に別のキャストでTVシリーズ化されましたが、ホールデン大尉と結ばれるバーバラ役に、娘のジェイミー・リー・カーティスが起用されるという不思議もありました。
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