コーカサス

静かなる男のコーカサスのレビュー・感想・評価

静かなる男(1952年製作の映画)
3.6
“過去を忘れるために帰って来た男”

かつてアメリカでボクサーだったショーン(ウェイン)は、試合中に対戦相手を死亡させてしまい引退を決意、父の故郷アイルランドへ戻ってきた。
その村で一目惚れしたメアリー(オハラ)と恋仲に落ちるが、メアリーの兄レッド(マクラグレン)は大反対。
結婚に必要な持参金を巡り、ついにショーンとレッドは殴り合いの決闘 “ マラソン・フィスト・ファイト ” を始める。

アイルランドの美しい風景とそこに住む温かい人々の見事な調和のその一方で、その国の文化や習慣を時に敬い時に蔑む様子はアメリカとアイルランド双方をルーツに持つフォードならではの演出だ。

ショーンとメアリーが仲良く自転車に相乗りする場面は『明日に向って撃て!』同様、愛に溢れる名場面であり、フォード&ウェインの名コンビが放つこの恋愛物語を微笑ましく彩っている。

46 2020 #258/2004