Ninico

花束みたいな恋をしたのNinicoのレビュー・感想・評価

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
3.9
カルテットが好きだったので配信で見てみた。サブカル育ちのロスジェネ世代なら絶対に刺さる。
私たちが生きた東京って、メインカルチャー的感受性で生きる人たちとサブカルたちとの断絶がすごかったので、恋人と同じ文化を共有できるだけでもかなりわかり合えたりした。いまでこそ「サブカルチャー」なんてなくなったけれど、本当に今よりもっと、Egg読んで安室奈美恵聴いて109で服買う人と、Cutie読んでCISCOでレコード買って裏原宿と代官山で服買う人は全く関わりがなくて、お互いにお互いを切り分けて棲み分けてきた。

そういう同世代間の断絶というか、根本的なわかりあえなさは今の令和の世代にもあるということを、「広告代理店的価値観」との対峙を通して表現していることが興味深かった。そのあたりの微妙なんだけれど決定的な「わからなさ」を丁寧に言語化してくれていたので観ていて共感できた。
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