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コンフィデンスマンJP プリンセス編のsueのレビュー・感想・評価

4.0
この夏の映画興行成績では、ほぼ同時期に公開となった同様にテレビドラマの劇場版である「今日から俺は!!」の後塵を拝してはいるものの、両方観たところ映画としての面白さは本作の方がずっと上だと思った。

まず制作側の「映画であろう」とする意気込みが好ましい。
ゴージャスな海外ロケ(今回はマレーシア)、豪華キャスト、煌びやかな衣装、そして何より話のスケール。映画でやるに相応しいものにしようと奮闘しているのがTVシリーズからのファンとしても嬉しくなる。

メインを張るコンフィデンスマン三人衆(ダー子・ボクちゃん・リチャード)はもう安定感抜群。三人ともコミカルもシリアスもきっちりこなせる俳優なので安心して観ていられる。詐欺師を演じるってかなりハイスペックな役者さんじゃないと無理だと思うから安心できるってスゴいことなんじゃないか?

他にも常連さんから初参加組も入り乱れて、キャラクター+シチュエーションで笑わせてワクワクさせてくれる。
長澤まさみ(ダー子)が三浦春馬(ジェシー)とダンスしながらの丁々発止は流石舞台ミュージカルで鍛えた二人ならではの笑える名シーン。日本映画でこんな洒落たの観れるなんてニヤニヤが止まらない。春馬くんすごく面白かったよ!パンフレットのコメント読んで切なくなったけど、楽しい現場だったんだね。

久々のビビアン・スーも「えっ今何歳?変わってなくない?」と動揺するくらい可愛かった。日本でもまた活動してほしいな。

今回の映画に密かに仕掛けられたミッションは「関水渚をブレイクさせる」ではなかろうかと思うくらいコックリに扮した彼女の魅力が爆発している。「町田くんの世界」の猪原さんとして映画ファンには認知されていたけど、今回で完全に見つかっちゃいましたね。メジャー入り間違いなしですね。

今回は前作の「ロマンス編」ほど騙しが入ってないとお嘆きの貴兄もいらっしゃいますが、観ていて「あぁここは嘘であってほしくないなぁ」と思う部分にはきちんと血を通わせた顛末にしてくれているので、終わった後の心地良さは格別です。

最後の人情に流されそうなところで魅せたダー子とその仲間たちのある種のハードボイルドがカラッと映画を締めてくれる。
そこに日本人の大好きな「カリオストロ風味」を感じたのは僕だけかな。

映画第3弾製作決定おめでとうございます!
次回は赤星(江口洋介)との最終決戦かな?赤星さん、だんだんルパン三世の銭形みたいになってきたので、次はいっそ呉越同舟で共同戦線って展開もアリだと思うけどな。何にしても楽しみにしてます!
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