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プラットフォームのYYamadaのレビュー・感想・評価

プラットフォーム(2019年製作の映画)
3.2
佳作!傑作!【外国映画のススメ】
『プラットホーム』

◆製作国: 🇪🇸スペイン
◆製作年: 2019年
◆ジャンル: ホラー
◆主な受賞歴:
・第44回トロント国際映画祭:
 ミッドナイトマッドネス部門観客賞
・第52回シッチェス・カタロニア国際映画 ファンタスティック・コンペティション 部門/最優秀作品賞/観客賞など
・第34回ゴヤ賞: 特殊効果賞

〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・ゴレンは目が覚めると、塔のような高い建物の「48階層」にいた。部屋の中央にある穴を通じて、上の階層から「プラットフォーム」と呼ばれる巨大な台座に乗せられ、上の階層の残飯が定時に運ばれ、他に食べ物はない。
・ゴレンは同じ階層にいた老人トリマカシから、各階層には2人の人間が配置され、1カ月ごとに階層が入れ替わるルールを教えてもらう。
・そして1カ月後。「171階層」で目を覚ましたゴレンは、ベッドに縛り付けられ身動きが取れなくなっていた…。

〈見処〉
①「生き残る方法は、食べること」
 縦構造SFシチュエーションスリラー!
・『プラットフォーム』(原題:「El hoyo」=「穴」)は、2019年にスペインにて製作されたR-15指定のSFホラー。
・本作はカナダ発の低予算ホラー『CUBE』(1997)に、上下階層にて生じる「社会格差」を加えたシチュエーションスリラー。
・倫理的に行動した翌月は下層階に廻され「肉体崩壊」。モラルを逸脱した行動の翌月は上層部に行けるが「精神崩壊」を招く。社会格差と宗教的なメッセージが共存する、大いなるコンセプト映画である。
・ゴア描写が激しい作品のため、気軽な気持ちでの鑑賞は避けたほうが良い。

②結び…本作の見処は?
「カニバリズム」…という言葉を知らない方は、意味を知ったうえで鑑賞されたい。
○:「食べることが生きること」の基本原則のもと「立場が変わると行動は変わる」人間の性質を表現された「リアル大貧民・大富豪」な怪作。
○: 上層から運ばれる残飯がとにかく汚ならしい(褒め言葉)。本作撮影時に、どのように残飯を作ったのか?フルコースを何回用意したのか、非常に気になる。
×:「好きなものを一つ持参して入所出来る」「主人公はなぜ入所したのか」など、設定が放置されたままはアカン。
×: 『CUBE』のような謎解き要素がなく、作品の中盤からはグロテスクさだけが目立つようになる。また、宗教的な側面を醸し出していながら、実は非常に浅いコンセプトのような気がする。
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