どど丼

スーヴェニア -私たちが愛した時間、後に-のどど丼のレビュー・感想・評価

4.3
A24米国配給、ジョアンナ・ホッグ監督「スーベニア」二部作の後編。気づいたらNetflixで日本配信が始まっていて急遽鑑賞したが、二部作の完成をしっかりと見届けられた気がする。

前編は謎多き中年男性との不可思議な出会いと別れの物語で、理解も共感も難しい不思議なメロドラマだった。後編に当たる本作は前編での主人公の経験に対する不可解さに対して「自己探究」する物語になっていて、むしろ前編のミステリアスにも程があるストーリーが意図的だったと分かる。ある種の答え合わせのような形ではあるが、掴み所の無い経験を掴もうともがく中で主人公が体験する映画制作を観客が追体験できるような構成も面白くて、特に後半は求心力が強まってとても見応えがあった。ラストも最近多い演出ではあるが、なかなか秀逸。

半自伝映画とはいえ、作中でもメタ批判されているように、この作品が二部作という長尺で実現できる予算が降りた事自体がすごいと思えるほどに内省的で実験的。でも大好きだ。ちなみに、チョイ役だけどハリス・ディキンソン出てるよ、ちょっと若くて可愛いよ。

ちなみにネトフリでは1作目の配信が終わっているので笑、そちらはU-NEXTで観る必要あり。今作だけでも成立はしているけれど、Part1から観た方が感動も一入。
どど丼

どど丼