もこ

461個のおべんとうのもこのネタバレレビュー・内容・結末

461個のおべんとう(2020年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

中高生は親より友人と打ち解ける時期だけど、それでもまだ未成熟で多感な時期だからこそ、お弁当を通しての親の愛情やコミュニケーションが必要なんだなと思った。
早起きしてつくってくれたお弁当、好きなおかずを伝えたら繰り返しつくってくれたこと、旬や栄養を意識した食材にしてくれたこと、いつもよりちょっぴり豪華にしてくれたこと...。私自身大人になった今でも心から有難かったと思っていて、一生忘れない気持ちだと思います。

両親が離婚をすることになった後の虹輝くん、精神的に辛いはずなのにどこか落ち着いているなと思ったけれど、お母さんに強い口調で気持ちをぶつけた時にやっぱりそうだよね、ずっと悩んでいたんだよねと思って涙が出た。
幼い時は両親が離婚すると言ったら大泣きしたり駄々をこねたりして気持ちを表に出せるけど、中高生では親と自分が別人格であることはわかっているし、離婚への理解だって備わっている子もいるだろうし、気持ちは表に出しにくい。
それでもやっぱり中高生ってまだまだ子どもなんだよね。

虹輝くんがお父さんにどうして?と尋ねる描写で言葉足らずなお父さんに対し、諦めたような表情を見せる虹輝くん。どうせ何も考えてないんでしょ、と思っていそうな様子。
新しくできた恋人もお父さんのその日暮らしのような考え方に不安を抱いてる描写があった。
恐らく実際は何も考えていないわけではなくて、言葉にしなかっただけ。でも、相手が家族でも恋人でも思いは言葉にしないと伝わらないんだよね。
私はお父さんのぼーっとしてそうな考え方も嫌いじゃなかった。その時の気分で選択したことでも、人生で積み重ねてきた色んな経験が絡んでしている選択だと思ってる。
でもやっぱり、大事なことはちゃんと考えて言葉にしてほしい気持ちはわかるし、そんな相手の気持ちも汲めるように気をつけたい。
もこ

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