音響という裏方を取り上げたドキュメンタリーが作られるアメリカは、いい国だ。ドキュメンタリーが、採算を取れる作品として成り立っている。
いい映画にはいい音響があり、いい音にはいい作品が伴う。
ここで紹介されるものは、みなそうであり、また観たくなる。それも、映画館の環境でだ。
映画ができるまでの段階をわかりやすくした章立ても、うまい。
スカイウォーカー・サウンドに代表されるハイテクもありながら、昔ながらの小道具を使った「音効」も、ADR=アフレコも合わさって音声トラックができていく。
そのチームワークもいい。
今どき、音響だけでこれだけ大勢の人を使う、総勢で膨大な時間と人を使う芸術である「映画」というものの存在にも感激する。
それを意識させてくれる、いい映画だ。