翔海

still darkの翔海のレビュー・感想・評価

still dark(2019年製作の映画)
4.1
希望のナポリタン。

料理人を志す盲目の青年ユウキは、たまたま訪れたレストランのナポリタンに心を奪われる。
料理人の経歴もないユウキだったが、強い熱意に料理長も1ヶ月だけ見習として雇う。先輩のアルバイトのケンタはユウキと同い年の24歳。気さくなケンタと共に仕事のノウハウを学びなからユウキは料理人を目指す。

努力することの理由。
盲目のユウキに対して先輩ケンタや料理長は特別扱いはしなかった。料理人を志すユウキの気持ちは本物であった。それに応えるようにケンタはユウキに仕事や料理を余すことなく教えた。時に居残って2人で料理の練習を重ねて、ユウキはナポリタンを作れるようになる。
ユウキは自分が食べて感動したナポリタンを作れるようになる為にここまで努力してきた。仕事でも盲目のユウキには皿を取ることや玉ねぎを切ることですら、暗闇の世界。手の感覚や聴覚を頼りに仕事を行う。そんなユウキのことを料理長もケンタも特別扱いをせずに仕事仲間として平等に仕事をする。それはユウキにとっては期待されている証であり、期待に応えたい気持ち一心で努力をした。


この映画を観て、目標に向かって努力していた日々のことを思い出した。
周りに認められたい、目標を達成したという強い想いがあれば努力は報われし、努力した時間は後の自分の糧となる。努力していたあの日々が懐かしく感じることができた。今の私はフリーランスとして働いているからこそ、努力を認められる機会も少なくなったけど、決して努力していない訳では無い。今は努力した結果が仕事に繋がるという点では、努力のやりがいはあるけど認められるのは難しいところでもある。

私は料理人ではないけれど、料理人を志すユウキには心打たれた。料理を作るのは好きで自分は自炊をするけど、料理人としての料理は自分以外のお客様に提供するからこそ繊細さが必要になる。1つのナポリタンに感銘を受けて弟子入りをしたユウキの想いは尊敬できるし、一からナポリタンの作り方を知り成長してゆくユウキの姿は応援したくなる。隠れた名作であり、ショートムービーなのでさくっと観れておすすめです✨
翔海

翔海