おさかなはフィッシュ

馬ありてのおさかなはフィッシュのレビュー・感想・評価

馬ありて(2019年製作の映画)
3.0
チャグチャグ馬コって高校生のときかな? 身の回りで流行った。箸が転んでもおかしい年頃。

はじめてソリを引く日は胸に迫るものがあった。目に見える形でも宿命を背負わされた馬。人間として、個としてもどうしたってその身勝手さからは逃れられないが、よく役割を果たしたねと、せめて人参の一本でもあげたくなる心情。慎んで残酷でありたい。

いままであまり考えたことがなかったが、運搬や移動に使われていた馬がその役割を機械に取って代わられるにつれ、馬は少しずつ減ってしまうのではないか……。さみしい……。
終盤のメッセージ、人間も馬もやがて等しく土に還る。種としてさえもそうなのだ。それまでの間の人生、馬生(?)。そう考えると救われる気持ちもある。

三箇所中二箇所が北海道だったので、別の場所も見てみたかった気がする。



好きな動物といえばクマ、シカ、羊、トラあたりかなと思うけれど、馬も好き。
近頃のお気に入り馬、坂本繁二郎の《放牧三馬》。三美神のように佇む。馬は美しい生き物。



最近お疲れ気味かなと思ったので、有休を取って映画鑑賞。ぼんやり眺めて気分転換ができた。

いつか泊まってみたいな、美深町のホテル → 写真を撮っているのは岡田敦さん → あっ、前に気になって名前をメモしてあった写真家さんだ → 残された馬たちの住む島・ユルリ島を知る。こういうふうに偶然がバチバチバチッと連鎖するとうれしい。そういうわけで静かな馬ブーム?

横浜シネマリンにて鑑賞。
これでよく行くミニシアターとはどちらとも再会。よかった。