ばーとん

雨月物語のばーとんのレビュー・感想・評価

雨月物語(1953年製作の映画)
4.0
溝口ではいちばん好き。立ち込める靄のなか海に浮かぶ舟だとか、京マチ子&毛利菊枝の幽霊コンビの底知れぬ妖しさ美しさなど、映像にはやはり魅せられる。序盤で森雅之の仕事を手伝う田中絹代が、急に独り言のように夫のことを話しだすシーンには、異様な異化効果があって素晴らしいんだが、ラストのモノローグはいかにも辛気臭い。死んだ田中を普通に再登場させて喋らせれば面白かったのに。
ばーとん

ばーとん