Jun55

ビギル勝利のホイッスルのJun55のレビュー・感想・評価

ビギル勝利のホイッスル(2019年製作の映画)
4.3
IMW2023(パート1)にて鑑賞。
最近の大将Vijayの映画の中で観れていない作品だったので自分としてはピースがはまった感じ。
Vijay映画の中でもエンターテインメント性やターゲットとする顧客層の広がりという意味では、とても完成度が高い作品だと思う。
(それが却って、深みがない、ということでマイナス評価になるところもあるのだろうが)

エンターテインメント性が高い一方、インド社会の女性問題にメスを入れているところがVijay映画(インド映画)らしいところ。
(この映画を観て、いかに多くの若い女性が勇気付けられることか)
Vijay映画には、必ず社会問題がテーマとして織り込まれ、そして各映画にひとつの大きなテーマを絞り込んでいるのでメッセージ性が明確で分かり易い。(お腹一杯になることがない)
とはいいながらも、複数のテーマが散りばめられていて、この映画では親子関係(父と子)、スポーツ精神が心に響くところ。

設定としては、Vijay演じる主人公は下町のギャング出身なのだが、何を「正義」とするのか、そのコンセプトがVijay映画のバックボーン。
神聖と思われるスポーツの世界ににも、権力、不正があり、それに対峙することで「正義」の意味を際立させる。

サッカーシーンはCGを駆使していると思うのだが、本人も確りと演技しているので、全く違和感なく、臨場感を楽しめる。

前半、冗長なところがあり、間延びする感があったのだが、インド人映画評論家のコメントを読んだところ、前半の30分~40分はVijayファンのためのもの、とあったので納得、笑。
ただ、後半は、試合の展開、明らかになる新事実への驚き等、テンポがよく、エンディングに向けてのクライマックスの清々しさは格別!
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