ヒノモト

ファースト・カウのヒノモトのレビュー・感想・評価

ファースト・カウ(2019年製作の映画)
3.8
『リバー・オブ・グラス』などのケリー・ライカート監督の2019年作品。

西部開拓時代のオレゴンにて、アメリカンドリームを求めてやってきた料理人のクッキーと、中国人移民のキング・ルーが、当時希少価値であった一頭の牛からミルクを盗み、ドーナツを作り販売し、一攫千金を狙うというお話。

さりげないショット、カットの意味が深く、利害、利潤関係の中でどのように生き抜いていくかという選択が、物語の中に強調されることなく入り込んでいるのですが、見せ方が限定的な描写が多く、歴史の事実の多くを語らない手法により、(私自身の)理解度の低さもあり、ラストーシーンの先にある彼らの運命や、バックグラウンドの分かりにくさも含め、少し物足りなさを残しました。

主人公の料理人の純粋な想いは映画全体に溢れているものの、一方の中国移民のキング・ルーの腹の中の分かりにくさ、その素性の部分が盛り込まれていたら、二人の間にあるものが友情なのか利害関係なのかが観やすくなって、より興味深くみることができたように感じました。

2023年の私的新作映画ベストテンはブログにて
https://ameblo.jp/hinomoto-hertz/entry-12834708081.html
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