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シンクロニックのkitoのレビュー・感想・評価

シンクロニック(2019年製作の映画)
3.2
SFとしてはありきたりで物足りないけれど、ドラマとしては不思議に楽しめた。

予告の「未知の映像体験に飛び込む覚悟はあるか」というキャッチコピーにはしっかり騙されたけど。

SF的にはパッとせず筋も "ありきたりオブありきたり" なのに、なぜだか不思議と先が知りたくなった。男ふたりのバディの絆、失踪した娘、ドラッグ、余命宣告などなど各要素のバランスが良いのだろう。映像は言うほど尖っていないけれど、観やすく撮られている感じがした。

そのあたり故に「ハリウッドが惚れ込んだ才能」な監督・主演のジャスティン・ベンソン&アーロン・ムーアヘッドなのだろうーー知らんけど。

ヤバイ、ヤバイと商品回収に努めるちっともマッドじゃないサラリーマン研究者が偶然作っちゃったというタイムスリップするドラッグ。バディを組む親友の思春期で内気な娘がそのドラッグでいつかのどこかに飛ばされてしまう、という話。

そりゃあ、こういう展開なら、いつ、どこにタイムスリップするのか、そこでの手に汗握るピンチが見たい、というのが人情。

ところが、そこにいられるのはたった7分間だけという意味不明なルールがあって、過去シーンはあっさり終わってしまう。令和の今、ウルトラマンのカラータイマーもどきやん。

うーん、書けば書くほど文句ばかりになるなぁ。なのに、晩酌後に見始めて絶対眠ってしまうだろうと思っていたのに最後までちゃんと見終えてしまう謎な引力ーーコレって "見放題終了間近" という呪の言葉の力なんだろなぁ。

ということで本作を先に観たけれど、この主演&監督ふたりの代表作「アルカディア」はいずれ観ようと思っている。
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