演劇評論家で独り身の老人クロード(ブルース・ダーン)は、かつての恋人で人気舞台女優だったリリィ(ロリーヌ・シオル)がアルツハイマーで介護施設にいることを知る。友人シェーン(ブライアン・コックス)の協力を得て、クロードはアルツハイマーと偽って介護施設に入り、リリィの記憶を取り戻そうとする。
ハムレットや冬物語の登場人物と対比させつつ、心地よいミラクルを体験できる純愛物語。
「戦う幌馬車」などの西部劇から「華麗なるギャツビー」「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」と、もはや伝説になりつつあるブルース・ダーンの名演に尽きる。
情熱的な求愛者、孫のよき理解者、老人たちの介護人、型破りの悪ガキと、多彩な顔を見せるクロードという人物を見事に演じていた。
そのクロードの毅然とした行動力はリリィだけでなく、シェーンや娘や孫の生き方も力強く変えていくところが清々しい。
どうせなら、娘のダメ亭主をコテンパンにやっつけて欲しかった。
彼とリリィとの可愛らしいツーショットも良かったけど、ブライアン・コックスとの掛け合いをもっと観たかった。2人ともいい年の取り方してるよなー。
すべてを乗り越えた老人だからいいのかもしれないけど、あの三角関係はありなんだろうか…