もめん豆腐

地獄の黙示録 ファイナル・カットのもめん豆腐のレビュー・感想・評価

4.7
自称ポンコツの皆さんに朗報。難しそうな今作、あらすじをザーッと読んでいればわかります!自他ともに認めるポンコツですら、ちゃんとついていかれましたし、もっと言えば貧相な集中力でもこの長丁場を乗り越えられる、そんな素晴らしい作品。2時間を少し越えたところで僅かに中だるみしたものの、カーツ大佐への好奇心が右肩上がりに上がりきって振り切れそうな時ようやくデデーンとお出ましになるという筋書き。
これも何を書いてもネタバレになりそうだし、ほとんど知らない方が最高に楽しめるからサラーっとだけ書くと、残酷なことが美しく見えてしまうことに罪悪感を持ってしまうほど圧巻の美しさ。それと映像と音楽の融合がガッチリはまってる。60年代のRockシーンに興味がある人にはさらに堪らない作品。Doorsとワルキューレの騎行が有名なんだけど、ちゃんと我らがRolling Stonesもちゃっかりかかるの。ちょっとだけだけどね。そこで時代が持つ空気感も掴むことが出来る。
放送禁止用語で今やなかなか使えないキチガイな世界観がこの作品の醍醐味だから、自分の中にある倫理観が崩れそうで怖い。いや、崩れないんだけどさ、残酷なのに美しくて怖いとでも言うのか。例えるならこの映画が好きだと他人にはなかなか言えない映画ってあると思うのだけれど、(ない人は対象外。そんな人は多分Filmarksにはいないと思う)はじめましての自己紹介で『時計じかけのオレンジ』が大好きですとはなかなか言えまい。道徳心大丈夫か?と思われそうだからね。そんな感じで映画好き以外にはうっかり『地獄の黙示録』が好きとは言えそうもない。それでも、とにかく、良かった。疲れたけど観られたことに大満足だった。ただ一つ、これはやっぱり映画館の大画面と音響で観るべき映画だと思う。コッポラ監督のこだわりを体中で感じたいし、その対価を支払いたい。素晴らしい映画を作ってくださりありがとうございます。
最後にミーハーな言葉で終わるの許して。マーチン・シーンがカッコよくて震えた。知らんかった。チャーリー・シーンに似てるけど、息子より俄然カッコいいのとローレンス・フィッシュバーンが驚きの姿で出ていたことに観終わってから知って声が出たわ。あてくしも痩せよう。

蛇足 この映画もたくさんの人が撮影裏話をネットに上げてくれてるので、観終わったら読むと面白いよ。
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