どっかで見たような話。
ほぼ『プラトーン』だった。
『プラトーン』は白人でエリートの主人公が正義感に燃えて大学中退までして志願兵となるも、実際の軍隊はお金のために入隊した貧困層の白人たちや黒人の寄せ集め。
麻薬に溺れ、ゲリラ隊に苦戦し、怪しい民間人は村ごと焼き払い、みんなの心が壊れて仲間内でリンチが起こる…
いまさら戦争において国際法(民間人は殺してはいけない)を守ってる国があるとは思わない。そもそも戦争なんてあらゆる秩序が崩壊してなんでもありの世界。殺すか殺されるかの選択を瞬時にしなければいけないんだから、軍という孤立した狭い社会での同調圧力は平時との比にならないだろう。
アフガニスタンには9.11から20年もアメリカは戦争して介入したのに結局タリバン政権が復活したっていう最悪の結果に。
毛沢東とかスターリンみたいにわかりやすく自国民を粛清し飢え死にさせたりするのと同じ感覚で、アメリカは戦争ばかりして若者を使い捨てにして殺している。
この実話ベースによるストーリーは、最終的に裁判が行われる。それも時代的に国外に向けたエクスキューズにも思えてしまうけど、判決が本気なのがまたキツイ。アメリカは自国民を破滅させたいのかな?
『プラトーン』よりも主人公の胸中に焦点があてられ内容はやや薄味。
でも頭の弱い若者たちのノリと軽薄さはリアリティがある。そして軍隊の嫌な上司のアレクサンダー・スカルスガルトが最高にハマり役。