Yotta

ルース・エドガーのYottaのレビュー・感想・評価

ルース・エドガー(2019年製作の映画)
4.7
ヒューマンスリラーとしてもヒューマンドラマとしても、凄い映画だった…!!
彼は優等生か怪物か?そうでは無くて、善か悪だけでは線引きが出来ない難しい問題を一人の青年の行動にフォーカスする事で捉えやすくしてたと思う!
色んな映画を観てから、この映画に出会って、観て良かった🥺

成績優秀でスポーツもできる、生徒のお手本みたいなルースがある日、過激な思想のレポートを提出する所からストーリーが動く…
"完璧な生徒"は何を隠している?真実はどっち??
って感じのあらすじだけど、そこが問題では無くてもっと根深い問題だってわかった時にハッとした

私は大人になったから頭のいいルースの行動や発言に恐怖を感じたんだけど、私がルース同じぐらいの年齢だったら、また違った印象だったかもしれない
スリラーに見せかけてのとんでもないヒューマンドラマだとわかったら、ミスリードさせてる?って思ってた部分が違った見え方してくるのがこの映画の凄いところだなと!

それぞれの行いは悪い事なのかもしれないけど、優等生のルースの生い立ちも、彼に疑念を抱く先生の生活環境も複雑で、あれらは自分を守ったり表現したりするの為の行動だったから善悪をはっきりとはつけられないな
完璧でないとどのコミュニティにも居られないと考えるルースに寄り添ってあげられる人が現れてくれる事を願うことしか出来なかった…



【下記少しネタバレと考察】






花火やスプレーなどが最後までルースのした事かが分からないような作りになっていたのは、見てる私達も大人側の視点に立たされていたからなのかな…

学生のコミュニティの闇、学生にしかわからないルールや距離感は大人にはどうする事も出来ないのは事実だと思う
理想を押し付ける先生や何もわかっていない校長、裕福な白人である両親、そして心から信頼できる友達も居なさそうだったから、ルースは誰にも苦しみを相談出来ずにいたからああなってしまったのかもと思うと、身近にもルースのような人は沢山居るのでは?と思った

あえて両親を試すような行動をしていたのは、信頼してもいいか?どれぐらいなら信頼できるか?を測っていたのでは?とか考え出すとキリがない
それぐらい色んな事について考えさせられる素晴らしい映画だった!
Yotta

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