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死刑台のエレベーターのがんびーののレビュー・感想・評価

死刑台のエレベーター(1958年製作の映画)
3.9
ヌーヴェル・ヴァーグが産んだ傑作のひとつ。

ルイ・マル監督の映画全然見たことないなと思ってたらこの前見た「ダメージ」が彼の作品だった。そんなすごい人だったなんて知らずに見たな。

この映画ができた頃って、常識を逸したストーリーだったり画面展開が若手監督の中で支持されてた、というか流行ってたのかなと思います。ある意味それがヌーヴェル・ヴァーグでもあるわけですし。トリュフォーとかゴダールの作品見ても、前衛的ですごいな、お洒落だなとは思うけど、なんか作品から自分に酔ってる雰囲気を感じてました。物語が地に足ついてないと言いますか(こんなこと言って何様だとは思いますが)。ただその点、本作品はかなりしっかりとした脚本に、考え抜かれた画面構成が多くあった印象で、同年代の他作品と比べてまともだなと思います。

冒頭のジュリアンの殺害シーン。手元を写すだけで状況を全部伝えちゃうあたりかなりお洒落。あと何と言っても、ジュリアンとカララ夫人が劇中で一回も会わないのも素敵。最初の電話の後先考えてない二人の会話と、ラストのカララ夫人の後悔の呟きがなんとも可愛そう。てか一番かわいそうなのはジュリアンなんだが。

夜の街並みと、そこを優雅に歩くジャンヌ・モローが素敵すぎて笑ってしまった。ぼかしがいい感じ。音楽も素敵。
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