真鍋新一

續清水港の真鍋新一のレビュー・感想・評価

續清水港(1940年製作の映画)
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さっき観たのと同じ映画がダブって登録されておる。戦後、上映される映画が足りなくなって戦前の映画をタイトル変えて再公開していた。この映画も『清水港代参夢道中』というタイトルに改題されている。

それだけでなく、同じものを丸々再上映するのはいけない決まりがあったらしくて、どの映画も二本立て上映などをする都合でカットされて、しかも本来のオリジナル版はその際に闇に葬られるという。おかげで、もともと戦前の作品はフィルムの現存率の低いというのに、この慣習のせいで残ったフィルムもほとんど不完全な状態にされてしまったという。当時はDVDもテレビもなかったから、それ以外過去の作品を有効活用する方法がなかったとはいえ、日本映画界の歴史上、ワーストクラスの愚行である。

中には例外もあるが、たまたまスタッフや会社がノーカットのオリジナルプリントを保存していたとか、たまたまな理由ばかり。しかも、客が喜ぶ面白い映画ほど何度も繰り返し上映される、日本全国を回るものだからロクにマスターも保存できてないのにフィルムはボロッボロ。この映画もそうだ。面白い映画ほど、フィルムはボロボロになる。昔の日本映画を観るときは、そういうことを心得た上で観るとまたさらに面白く観られるのではないかと思う。もはやレビューじゃなくてすまないが、この映画のレビューは『清水港代参夢道中』を参照してほしい。
真鍋新一

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